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三浦 幸俊
光科学研究の最前線, p.142 - 143, 2005/08
運動シュタルク効果によるトカマクプラズマの電流分布の計測,位相共役鏡を用いたレーザー散乱計測,揺動計測等の光を用いた計測により、トカマクプラズマを制御し、またその新しい姿を見ることができてきた。その微細な測定結果は高速な並列計算機を用いたシミュレーションとの比較を可能にし、双方の進歩により、新しい研究の展開につながると期待される。
鈴木 隆博; 諫山 明彦; 坂本 宜照; 井手 俊介; 藤田 隆明; 竹永 秀信; Luce, T. C.*; Wade, M. R.*; 及川 聡洋; 内藤 磨; et al.
Proceedings of 20th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2004) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/11
JT-60Uは2003年に制御系の長放電時間化改造を行い、高プラズマの定常化を達成した。規格化圧力2.5のプラズマを不安定性の発生なしで、電流分布が定常に達する15.5秒間(電流拡散時間の9.5倍)維持した。また、不安定性の発生し易い位置と不安定性を引き起こす圧力勾配の大きな位置をずらすような電流分布を実現することで、さらに高い規格化圧力3を準定常(電流拡散時間の3.3倍)維持することに成功した。適切な電流分布を実現することが高性能プラズマにとって重要であるので、電流分布の実時間制御システムを開発し、安全係数分布を目標値まで制御することに成功した。
鈴木 隆博; 井手 俊介; 濱松 清隆; 諫山 明彦; 藤田 隆明; Petty, C. C.*; 池田 佳隆; 梶原 健*; 内藤 磨; 関 正美; et al.
Nuclear Fusion, 44(7), p.699 - 708, 2004/05
被引用回数:31 パーセンタイル:69.2(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおける電子サイクロトロン(EC)波による加熱と電流駆動についての研究を発表する。LH波により生成された負磁気シアプラズマの中心部にEC波を入射し、26keVの電子温度を達成した。規格化小半径0.3程度までの広い領域で電子温度は24keVを超える。電子温度16keVまでの範囲でEC波による電流駆動効率を調べ、電流駆動効率が電子温度に比例することがわかった。規格化電流駆動効率は0.16であった。捕捉粒子効果はEC波の吸収位置に依存し規格化電流駆動効率を減少させると考えられ、不安定性の抑制等のために必要な駆動電流と加熱パワーの評価に影響する。そのための吸収位置に対する依存性を調べた。トーラスの弱磁場側での吸収ではに顕著な減少が観測された。Fokker-Planck計算と合致することから捕捉粒子効果を同定した。
鈴木 隆博; 及川 聡洋; 諫山 明彦; 藤田 隆明
プラズマ・核融合学会誌, 80(5), p.362 - 363, 2004/05
電子サイクロトロン波電流駆動(ECCD)による駆動電流を評価するために開発した解析手法を新古典テアリングモード(NTM)の発生した放電に適用した。本手法はモーショナルシュタルク効果計測を利用してプラズマ電流密度分布の空間的・時間的変化を直接評価する。NTMによる磁気島発生位置に、NTMの発生時刻と同期してプラズマ電流の局所的な減少を観測した。NTMの磁気島の大きさと関係する磁場揺動の大きさが増大するにしたがって、電流の減少が大きくなった。電流の減少は磁気島内の圧力の平坦化に伴う自発電流の減少と考えられる。また、ECCDを磁気島内で行うことによって局所的に減少した電流を補いNTMを安定化した放電において、磁場揺動強度の減少にしたがって局所的な電流の増加を観測した。平衡再構築による手法では困難と考えられたポロイダル/トロイダルモード数が3/2といった小さな磁気島の発生に伴う電流分布の空間・時間的な変化を明確に評価した初めての成果である。
藤田 隆明
日本物理学会誌, 57(8), p.559 - 567, 2002/08
トカマク型磁場閉じ込め装置においては、高温プラズマ中に電流を流すことによりプラズマを閉じ込めるらせん状磁場を形成している。このためトカマクプラズマの電流分布の計測は閉じ込め磁場の空間構造を把握することを意味し、磁場中のプラズマの熱・粒子輸送やプラズマの安定性の理解に極めて重要な役割を果す。本稿では、大型トカマクJT-60における高精度の電流分布計測法を紹介するとともに、その活用により発展した電流分布制御を用いた高温核融合プラズマの閉じ込め性能の改善に関する最近の研究成果について解説する。
鈴木 隆博; 井手 俊介; 及川 聡洋; 池田 佳隆; 梶原 健; 諫山 明彦; 藤田 隆明; 濱松 清隆; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 44(1), p.1 - 9, 2002/01
被引用回数:18 パーセンタイル:50.76(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいて電子サイクロトロン(EC)波による局在化した駆動電流分布を測定した。時間変化していく誘導電流はモーショナルシュタルク効果による内部磁場計測と、磁気流体平衡計算のトロイダル電流分布に新しくスプライン関数を導入することで評価した。解析からEC駆動電流がプラズマ小半径の10%より狭い領域に局在化していることが明確にわかる。測定したEC駆動電流は光線追跡法とFokker-Planckコードによる計算値と一致する。実験によるEC駆動電流分布の測定には先述の誘導電流の評価が困難なために理論との一致はこれまでほかの装置では得られていない。本研究はEC駆動電流の理論を実験的に確認したものである。EC波の吸収位置が変わったときには測定したEC駆動電流位置も変化している。電流駆動効率は7keVの電子温度に対して510A/W/mであった。
藤田 隆明; 三浦 幸俊; 鈴木 隆博; 井手 俊介; 竹永 秀信; 及川 聡洋; Chankin, A. V.; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 波多江 仰紀; et al.
Proceedings of 29th European Physical Society Conference on Plasma Physics and Controlled Fusion, 9 Pages, 2002/00
JT-60Uにおいて、モーショナルシュタルク効果(MSE)計測の測定精度の向上及び平衡コードの改良により、負磁気シアプラズマの中心部に電流がほとんど流れていない領域(「電流ホール」)が数秒間安定に存在することを明らかにした。電流ホールの半径はプラズマ半径の40%に及ぶ。これは従来必要と考えられていた磁気軸上電流がなくても安定にトカマクを運転できる可能性を示すものである。電流ホールは中心を外れた非誘導電流の増大によって形成される。興味深いのは、中心部で電流が負となる例が観測されていないことである。また、電流ホール内において、中性粒子ビームや電子サイクロトロン波による電流駆動を行った場合でも、中心部に電流が発生しない。このような電流ホールの硬直性は、それを維持する何らかの機構が働いていることを示唆している。
小倉 浩一; 柴田 猛順
JAERI-Research 98-060, 11 Pages, 1998/11
ウラン235を高い選択性でイオン化できる光イオン化スキームの自動電離準位は、電場でその線幅が広がらずシュタルク効果が非常に小さいことを明らかにした。このイオン化スキームを用いて、回収電極に定常電圧を印加したままで、レーザー同位体分離実験を行った。イオン量、同位体比ともレーザー照射直後にパルス電圧を印加した場合と、ほとんど同じであった。これより、シュタルク効果が小さく電場で線幅が広がらない自動電離準位を用いれば、パルス電圧を用いず、定常電圧でイオンを回収でき装置が簡単になることがわかった。
勝田 忠広*; 多幾山 憲*; 尾田 年充*; 水野 勝弘*; 小川 俊英
Fusion Engineering and Design, 34-35, p.769 - 772, 1997/03
被引用回数:7 パーセンタイル:52.66(Nuclear Science & Technology)超音速ヘリウム原子ビームを用いたプラズマ周辺部の電界測定法について報告する。超音速ビームとして入射されたヘリウム原子の大半は、プラズマ周辺部で励起されイオンになる。このときシュタルク効果による準安定準位からの禁制励起を波長可変レーザーを用いて行うと、電界の2乗に比例した誘起蛍光強度が得られる。そこで、この誘起蛍光の測定から電界強度を評価できる。JFT-2Mプラズマをターゲットとして、超音速ビームを入射した時のヘリウム原子の励起準位占有密度を衝突放射モデルによる数値計算から算出した。この計算によると、ヘリウムビームはプラズマ表面から10cm程度まで進入でき、表面から1cmのところでも測定に十分な準安定原子の密度が得られることがわかった。この結果、50v/cm程度の電界まで測定可能であることが示された。
尾田 年光*; 小田島 和男; 多幾山 憲*; J.H.Foote*; K.Mizuno*; 小川 俊英; 佐藤 国憲*; 大麻 和美; 星野 克道; 前田 彦祐; et al.
Proc. of the 1992 Int. Conf. on Plasma Physics, Vol. 16C, Part II, p.II1191 - II1194, 1992/00
米国ローレンスリバモア国立研究所で進められている自由電子レーザー(FEL)マイクロ波を用いたMTX計画において、FELマイクロ波の電界を測定するレーザ補助粒子プローブ分光装置(LAPPS)を開発した。LAPPSはヘリウム中性粒子ビーム源、色素レーザ装置及び分光装置からなる。シュタルク効果を用い、プラズマ中の電界測定のため準安定ヘリウム原子での禁制線遷移による誘起螢光を測定する。測定する光量を充分得るためには、プラズマ中心部で充分な量のヘリウム原子が必要で、LAPPSでは50kV、0.2~0.4Aである。これはMTXトカマクのポートサイズから決っている値ギリギリである。原研における試験でビーム中の3重場準安定原子の密度を測定した。この結果よりMTXの本番測定においても充分測定可能であるとの感触を得た。